2018.02.09

3分野に挑戦中 サービサー/事業再生 大型事業, そして新規事業

主力資産運用の既存事業の変革に加え、持続可能な先進的街づくりを目指す「大型事業」、社会変化に応じて潜在的に需要が高まるサービスそのものを自ら開発し最適な不動産に組み合わせて提供する「新規事業」、成長国の不良債権の課題や、国内の債権統合による事業再生投資にも対応する「サービサー/事業再生」、以上の三つの分野でも新たな価値創出に挑戦中です。

元本債権総額1兆7千億円回収からの学びと、「成長国の不良債権業務と事業再生へ」の挑戦

「サービサー/事業再生」分野

事業再生したレーサム ゴルフ&スパ リゾートで日本プロゴルフ選手権を開催
事業再生したレーサム ゴルフ&スパ リゾートで日本プロゴルフ選手権を開催

◆学び: 当社創業1992年はバブル崩壊の年ですが、その頃から金融機関のバランスシートが徐々に傷み、1997年頃には担保不動産の処分を進めると引当不足が露呈するので不景気以上に不動産が動かなくなりました。そこで国が乗り出し、銀行が第三者に対し債権を売却しバランスシート改善を図るプロセスを進め始め、当社は国際的格付会社から不良債権処理事業の格付をいち早く取得し当事業に注力しました。路線価や公示地価に一定掛け目で担保評価を出す金融機関もあり、鑑定評価も市場変動に遅行する中で、当社は一つひとつの不動産の利用価値から適正時価を見極め収益機会の開拓を進めました。

また不動産担保ローンを取り扱うノンバンクが貸付債権を担保に銀行から借り入れており、その不動産評価が担保評価に強く影響を受けている点に着目しました。まず債務超過見込みのノンバンクを取得、銀行のバックファイナンスを約半分返済することで、銀行担保評価に縛られず本質的な利用可能性から担保評価を進められる会社に変え収益を回復させました。その後の大手金融機関への売却で期間7年・純益約100億円の結果となり、小さな矛盾が大きな企業価値を生み出すことを学びました。

◆挑戦: 発展途上国の不良債権の問題には、潜在的に大きな市場を見込んでおり、1990年代から日本国内の債権回収に対応してきた当社の経験が生きます。その市場参入には外資規制と許認可の壁がありますが、当社の取り組みを誠実に説明し現地理解を得て市場開拓を進めます。

また国内では金融機関の債務を当社債権に統合し債務者の優良事業を復活させ、事業再生投資や事業承継問題にも対応し、M&Aも展開します。

大型案件からの学びと、マスターデベロッパーとして「持続可能な先進的街づくり」に挑戦

「大型事業」分野

原宿駅前角地一等地の複合型商業オフィスビル創出に取組み
原宿駅前角地一等地の複合型商業オフィスビル創出に取組み

◆学び: 日本では大企業であれば対象地を合理的な価格で取得し再開発を進め一定の事業収益を確保するでしょう。一方、独立系企業では、都心の超一等地で再開発対象地を確保することは財務的にハードルが高く、市況が大幅に下落する局面では財務面の弱さから対象地を抱えきれなくなります。

当社も再開発とまで言わずとも評価額が数百億円に及ぶ案件の取組みを単独で行い厳しい状況を経験しましたが、今後は思いを共にするお客様、パートナー、周囲の地権者の皆様と絆を深め連携し、中長期に持続可能な先進的街づくりに挑戦します。

さらにダイナミックな成長につなげていくには海外の不動産分野の事業機会の開拓も不可欠だと考えており、東アジア諸国を中心に現地ネットワークの構築を進めております。

◆挑戦: 発展途上国では、電気・水道、治水、交通網といった基本インフラが未熟な地域があります。当社は、中長期に持続可能な基本インフラ整備から取り組み、緑豊かな住環境を中心に教育・スポーツ・健康施設を充実させ、オフィス・商業施設との繋がりも含め、人に優しい街並みを重視します。また周辺地からの円滑なアクセスを図り、老朽化した街からの住民移転と、移転で残された古い街並みの活用も考慮します。開発対象地が起点となり周辺地に波及し、都市全体に好循環をもたらす流れを作るマスターデベロッパーの立場で臨みます。

全10棟681室のホテル運営からの学びと、「事業創出型の不動産」の連続的取組み

「新規事業」分野

コミュニティ型ホステル『WeBase 博多』
コミュニティ型ホステル『WeBase 博多』

◆学び: ホテル客室料金は好景気なら倍、逆なら半分と変動が大きく難易度は高いものの、2003年に参入、札幌でビジネスホテルオーナーとして運営ノウハウを習得、沖縄那覇ではオペレーションのみを取得し数億円を投資するも予定売上の5分の1にも満たず赤字続きで、この損失処理の為、既に買収し追加投資も進めていた沖縄恩納村の良好な立地のリゾートホテルを売却、沖縄のホテル事業から撤退。その後中小ホテル群のM&A案件に取組むもリーマンショックによる借金返済で全て売却。変動激しい室料に応じた綿密なマーケティングや、日々サービスを管理しゲストの満足度を引き出すホテル事業の難しさを痛感しました。

◇なぜ「コミュニティ型」ホステルなのか?過去の苦い経験から、景気変動や地政学リスクで旅行需要が急変し事業継続に支障が出る分野を避け、回数と滞在日数も伸びている世界の若者の旅行需要を研究し、これを日本の地域社会との交流体験に繋げ世界各国から繰り返し訪問いただける宿にしようとコミュニティ型ホステル「ウィーベース」(WeBase )を立ち上げました。旅行予算が少額でもなく通常ホテル数日分の宿泊代よりも、ゆっくり2、3週間滞在して味わえる体験価値に対価を支払うゲストに照準を合わせ、ウィーベースを地元コミュニティとの交流拠点として様々な体験企画を仕掛けております。その結果、地域の売上や雇用機会を創出し地元経済効果や人材活性を通じ日本社会に中長期の好循環をもたらす存在を目指します。

◆挑戦: 不動産の利用方法を根本から見直し、既存業態にとらわれず今後世の中で必要とされるサービスの探究も進め、当社自ら事業を創造し最適な不動産を用意することに挑戦し始めており、これを次々と展開するのが当社の新規事業です。

コミュニティ型ホステルに続き、高齢化社会で症例急増し待機患者が増える分野に対応し「高度医療専門手術センター」を世田谷から展開。2018年からは地域コミュニティに末長く愛される店舗を追究し「リベルテ」を吉祥寺に立ち上げ、さらに労働人口減少を踏まえ、子育て中の女性が社会で生き生きと柔軟に活躍できる仕組みを目指し「リブラ」という新事業も日本橋で立ち上げました。

詳細の取組み事例や説明については、添付PDFをご参照下さい。
また、当サイトの右上ボタンのグローバルナビ( 「三 」印)の「沿革(挑戦の歩み)」では各分野の個別実績をご確認頂けます。